2024 年 2024 巻 AIMED-014 号 p. 04-
深層学習モデルを用いた医用画像解において,分類モデル等が推論過程で注視した画像領域を提示する技術は,推定結果に対する説明を与えるなど,診断を支援するものとして期待されている.これまでに,そのような注意領域を提示する複数の手法が提案されているが,説明性能や提示される領域の傾向は十分に分析されていない.そこで本研究では,MRI 脳腫瘍画像の分類を対象に,複数の深層学習モデルおよび注意領域提示手法に対して,その説明性能を定量的に評価するとともに,提示される注意領域を定性的に分析する.具体的には,深層学習モデルを4 つのブロックに分割し,各ブロックに対して得られる注意領域,その平均,各ブロックの分類における重要度を学習した重みを用いた加重平均,および既存の注意領域提示手法であるLayerCAM の結果を比較し,モデルごとの特性,およびそれによる注意領域に生じる差異を分析する.