2024 年 2024 巻 FIN-033 号 p. 192-196
本研究では、投資比率を最適化する複利型深層強化学習を用いて、過去のFXレートを用いた金融取引戦略の習得を行う。現在、機械学習を金融に応用する研究が盛んに行われている。複利型強化学習は、利益率の複利効果を最大化する行動を習得することを目的とした強化学習の枠組みである。複利型強化学習には新たなパラメータとして投資比率が存在し、この投資比率を最適な値にすることで、利益率の複利効果を最大化することができる。先行研究において、深層強化学習を複利型に拡張した複利型深層強化学習、複利型深層強化学習における投資比率を最適化する手法がそれぞれ提案されている。本研究では、投資比率を最適化する手法を取り入れた複利型深層強化学習を用いて、実際の過去のドル円のFXレートを用いた、成り行き買い注文と売却を行動とした金融取引戦略の習得を行う。