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小池 和弘, 上山 千乃, 佐川 大志, 田中 謙司
原稿種別: 研究会資料
2024 年 2024 巻 FIN-033 号 p.
01-04
発行日: 2024/10/15
公開日: 2024/10/15
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究は、ECサイトにおける動的価格設定が顧客の購買行動に与える影響を、マルチエージェント・シミュレーションを用いて分析するものである。特に、購入商品の多様性、購入期間の長さ、定期的な購入パターンを指標として顧客をセグメンテーションし、それぞれのセグメントが価格変更にどのように反応するかを調査する。仮説として、購入商品の多様性があってポートフォリオが厚く、長期で定期的に購入している顧客は、価格変更特に値上げに対して耐性があり、離反が少ないと考える。本研究ではエージェントベースのモデリングを用いて、各顧客セグメントの行動モデルを構築し、動的価格設定シナリオをシミュレートする方法を提案する。提案手法により、ECサイト運営者は価格戦略の最適化に向けた具体的な指針を得ることができ、顧客ロイヤルティの向上と収益の最大化が可能となる。
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遠藤 修斗, 水田 孝信, 八木 勲
原稿種別: 研究会資料
2024 年 2024 巻 FIN-033 号 p.
05-11
発行日: 2024/10/15
公開日: 2024/10/15
研究報告書・技術報告書
フリー
証券取引所は、市場安定化のため価格の急変動を抑えるための規制を加えることがある.現在の市場価格から大きく離れた価格の注文を出せないようにする値幅制限や市場価格が急変動した際一定期間注文を受け付けないサーキットブレーカーがあるが,どちらを導入すべきか多くの議論がある.そこで本研究では人工市場を用いていくつかの下落パターンを想定し,値幅制限とサーキットブレーカー導入時の下落幅と市場効率性の比較を行った.その結果,誤発注による下落の場合,下落幅と市場効率性は共にサーキットブレーカーが高い効果を示した.一方,ファンダメンタル価格下落の場合,下落を抑えられるのはサーキットブレーカーだが,市場効率性が高くなるのは値幅制限であることが分かった.
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水田 孝信, 八木 勲
原稿種別: 研究会資料
2024 年 2024 巻 FIN-033 号 p.
12-19
発行日: 2024/10/15
公開日: 2024/10/15
研究報告書・技術報告書
フリー
個人投資家を中心にレバレッジドETFへの投資が増えている.レバレッジドETFとは日経平均株価などの指数の何倍かの価格変動をする上場投資信託である.レバレッジドETFは上場しており,先物とは別に取引されているが,レバレッジドETFの下落が先物市場にどのような影響を与えるかなどは分かっていない.そこで本研究ではレバレッジドETF自身が取引される取引所と誤発注が実装された人工市場を構築し,レバレッジドETFと先物の市場のどちらかで急落が起きたときに,他方の市場にどのような影響を与えるか調べた.その結果,レバレッジドETFに誤発注があった場合,裁定取引のおかげでレバレッジドETFは先物の流動性を使うことができ,下落幅が縮小した.先物に誤発注があった場合も裁定取引のおかげで先物はレバレッジドETFの流動性を使うことができ,下落幅が縮小したが,縮小幅はレバレッジドETFに誤発注があった場合より小さい.先物から見ると少ない流動性のレバレッジドETFからもらえる流動性は比較的少ないからである.レバレッジドETFを取引している投資家からみると,先物の高い流動性の恩恵は大きいが,先物を取引している投資家からすると,レバレッジドETFの流動性から受けられる恩恵は大きくないことが分かった.一方で,レバレッジドETFのリバランス取引により下落幅が大きくなることも分かった.リバランス時にボラティリティより大きいマーケットインパクトを与えると,そのインパクトによる価格変動で追加のリバランスが必要となり,そのリバランスがまた次のリバランスを必要としループが止まらなくなることを示した先行研究と整合的である.
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早瀬 竜希, 水田 孝信, 八木 勲
原稿種別: 研究会資料
2024 年 2024 巻 FIN-033 号 p.
20-24
発行日: 2024/10/15
公開日: 2024/10/15
研究報告書・技術報告書
フリー
レバレッジドETFは,日経平均株価指数先物など指数と連動する先物を保有して指数の何倍かの価格変動を実現している上場投資信託である.レバレッジドETF(先物)の価格が下落した場合,それらの市場間での裁定取引によってレバレッジドETF(先物)は先物(レバレッジドETF)の流動性を使い下落幅を抑えることが人工市場を用いた研究でわかっている.しかし,裁定取引がこれらの市場の流動性について与える影響については調べられていない.そこで本研究ではレバレッジドETFと先物の市場のどちらかで価格急落が起きたときに,裁定取引の有無による各市場の流動性の違いを人工市場シミュレーションを用いて調査した.
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橋本 龍二, 村山 友理, 和泉 潔
原稿種別: 研究会資料
2024 年 2024 巻 FIN-033 号 p.
25-32
発行日: 2024/10/15
公開日: 2024/10/15
研究報告書・技術報告書
フリー
人工市場シミュレーションを用いて株価リターンの分布がファットテールになるメカニズムを分析する.伝統的金融工学理論では,株価のリターン分布に正規分布を仮定する場合があるが,現実にはリターンの裾野は冪分布のように振る舞うことが知られる.これまで,行動経済学や経済物理学を中心に,株価リターンに冪分布が出現するメカニズムについて,いくつかの要因が指摘されてきた.しかし,複数の要因を同時にモデル化し,相互作用の在り方を調べた研究はまだない.本研究では,人工市場シミュレーションと,最適輸送による定量評価を組み合わせた対照実験により,株価リターンの冪分布の生成メカニズムに関する仮説検証を行う.具体的には,1)需要サイズの冪分布,2)価格の情報効果,3)群衆行動の三要素をエージェントモデル上に位置付け,各要素をモデルに追加する設定としない設定での8 (=2^3)種類のシミュレーションを実施する.各シミュレーション結果からリターン分布の裾野の点群を収集し,実データから収集した点群との最適輸送距離を測定することで,三要素のそれぞれがどれだけシミュレーションを現実に近づけるのに寄与しているかを定量化する.提案した最適輸送による実/合成データの定量評価手法は,金融データ合成モデルの評価へと応用可能である.また,複数の要素が同時にモデルに追加された場合と,単独で追加された場合の冪指数の推定値を比べることにより,要素間の相互作用の存在を調べる.実験結果より,高頻度領域においては価格の情報効果が冪分布を生成する上で支配的な役割を果たしていることと,需要サイズの冪分布と価格の情報効果との間に相乗効果が存在することが明らかになった.
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渡邊 匠, 田邊 智也, 佐藤 遼河, 宮村 裕之, 高野 海斗, 中川 慧
原稿種別: 研究会資料
2024 年 2024 巻 FIN-033 号 p.
33-40
発行日: 2024/10/15
公開日: 2024/10/15
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では、企業のウェブサイト上のESG情報の効率的な収集手法を提案する。ESG情報は投資判断や企業評価において極めて重要な情報であるが、ESG情報自体が多岐に渡り、企業のHPや統合報告書等、多くの場所に分散している。そのため、ESG情報の収集には多くの時間が必要になるとともに、包括的な収集が困難であるという課題が存在する。そこで、本研究では機械学習を活用し、当該課題に対処するための次の二つの問題に取り組む。まず、企業HPのURLからESG情報の存在の有無を二値分類する問題に取り組む。次に、ESG情報が存在すると判定されたウェブサイト本文から、実際にESG情報が含まれるかを判定する問題に取り組む。前者の二値分類問題においてはF1スコア0.924を達成し、後者の本文判定問題においてはF1スコア0.986を達成した。これらの結果は、機械学習を用いることでESG情報の効率的かつ広範な取得が可能であることを示している。
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酒井 浩之, 永並 健吾, 木村 賢二郎, 寺口 舞紘, 大江 いづみ, 中島 泰暉
原稿種別: 研究会資料
2024 年 2024 巻 FIN-033 号 p.
41-47
発行日: 2024/10/15
公開日: 2024/10/15
研究報告書・技術報告書
フリー
近年、様々な企業で環境やダイバーシティ等に配慮し持続可能な社会を目指す試みが実践されている。そのような試みの具体的な指針としてESG(Environment,Social,Governance)が挙げられる。企業のESGに関する取り組みは企業が発行している統合報告書に記述がある。しかし、統合報告書を発行していない企業もあるため、多くの企業におけるESGに関する取り組みを収集するには企業WEBサイトから収集する必要がある。そこで本研究では企業WEBサイトからその企業におけるESGの方針・取り組みに関する情報を自動的に抽出することを目的とする。具体的には、日経NEEDSが提供している「日経ESGデータ」を学習データとして企業WEBサイトからT5によりESGの方針・取り組みに関する情報を抽出し、抽出された情報を「GHG排出量の削減目標」や「廃棄物に関する方針」などの15クラスに自動的に分類した。
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鹿子木 亨紀, 森山 治紀
原稿種別: 研究会資料
2024 年 2024 巻 FIN-033 号 p.
48-52
発行日: 2024/10/15
公開日: 2024/10/15
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では,統合報告書やサステナビリティ報告書などの文書からESG(環境・社会・ガバナンス)関連情報を抽出し評価する手法を提案する.具体的には,大規模言語モデル(LLM)を用いたRAG(検索拡張生成)プロセスにおいて,クエリ拡張とフィルタリングの手順を追加することで,情報抽出の精度向上を図った.さらに,RAGの性能評価を客観的な指標に基づいて実施し,その有効性を検証した.
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増田 樹, 中川 慧, 星野 崇宏
原稿種別: 研究会資料
2024 年 2024 巻 FIN-033 号 p.
53-60
発行日: 2024/10/15
公開日: 2024/10/15
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究は、複雑な会計基準に対する質問応答タスクに対応するための手法を提案する。会計基準は多くの条文と参照関係を含み、その複雑さゆえに会計専門家以外には理解が困難であるという問題がある。また、従来の質問応答モデルでは、会計基準の複雑な参照関係を十分に考慮することが難しく、そのため正確な回答を生成することが困難であった。そこで本研究では、会計基準の参照関係を効果的に活用し、質問応答モデルの性能を向上させる。具体的には、会計基準の参照関係をグラフ化し、質問応答モデルに組み込む手法を提案する。収益認識に関する会計基準を使用しグラフを構築し、会計基準の設例や公認会計士試験の論文式問題を対象に提案手法を事前学習モデルやRAGモデルとの比較実験を行った。結果、会計基準グラフの利用が専門的な質問応答タスクでの性能向上に効果的であることを示した。このアプローチは、他の複雑な法規や規制にも適用可能である。
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市川 佳彦, 伊達 裕人, 那須田 哲也, 高野 海斗, 中川 慧
原稿種別: 研究会資料
2024 年 2024 巻 FIN-033 号 p.
61-67
発行日: 2024/10/15
公開日: 2024/10/15
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では、SAR(合成開口レーダー)衛星画像を用いて、テーマパークの来場者数を推定する手法を検討する。テーマパークの来場者数は、特に投資家やアナリストにとって、企業の業績や消費者需要を評価するための重要な指標である。来場者数データは、収益予測や投資判断に直結するため、リアルタイムな情報が求められているが、一般には公開されておらずデータの収集が困難である。そこで本研究は、SAR衛星画像の高解像度と全天候対応の特性を活かし、ケーススタディとして東京ディズニーリゾートの敷地内における駐車場を解析し、来場者数を推定する。また、公表されている来場者数や売上高などとの比較を行い、推定値の有効性を分析する。
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屋嘉比 潔, 黒木 裕鷹, 中川 慧
原稿種別: 研究会資料
2024 年 2024 巻 FIN-033 号 p.
68-75
発行日: 2024/10/15
公開日: 2024/10/15
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では、Chen et.al (2022) の手法に基づいて、日本企業の財務データを用いて、機械学習手法による次期利益の変化方向の予測可能性を検証する。先行研究では、米国市場において機械学習手法がアナリスト予測を上回る予測パフォーマンスを示しているが、本研究ではこの知見の日本市場への適用可能性を探る。本研究では、先行研究同様に機械学習手法として非線形性および相互作用を捉えることのできる決定木系のアルゴリズムを適用し、予測モデルを構築する。予測パフォーマンスの評価には、ROC曲線化面積と、予測に基づくヘッジ・ポートフォリオの異常リターンを用いる。また、ロジスティック回帰モデルや経営者予想との比較を行い、機械学習手法の優位性を検証する。本研究の貢献は、(1)機械学習手法が捉える利益予測における財務情報の非線形性・相互作用の解明、(2)日本市場での会計情報の利益に対する予測力の再評価、(3)効率的市場仮説に対する実証的証拠の提示、の3点にある。これらの知見は、会計情報の役割に関する理論的な理解を深め、日本市場の投資実務や企業価値評価に新たな視座を提供する。
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Tanaka Yuki, Hashimoto Ryuji, Takayanagi Takehiro, Piao Zhe, Murayama ...
原稿種別: 研究会資料
2024 年 2024 巻 FIN-033 号 p.
76-83
発行日: 2024/10/15
公開日: 2024/10/15
研究報告書・技術報告書
フリー
金融分野における研究では、データの不足がしばしば問題となる。特に価格の急落局面などの極端な事例について問題は顕著になる。この制約を受け、金融時系列データの合成が注目されている。近年では深層生成モデルが合成金融データ生成に用いられているが、深層生成モデルは合成データの操作性に課題がある。深層生成モデルは学習データに適合してデータ生成を行うため、リスク評価において重要である極端事象のサンプリングは困難である。この研究では、従来の金融データ合成モデルの課題である操作性を解決するため、Conditional Financial Diffusion model (CoFinDiff) を提案する。CoFinDiffは、拡散モデルを用いて、クロスアテンションを通じてトレンドと実現ボラティリティに条件付けられた価格系列を生成する。実験結果から、CoFinDiffはファットテールやボラティリティクラスタリングを満たし、かつ価格のトレンドや実現ボラティリティという二つの条件に従う一分足の株価の価格系列を生成できることが明らかとなった。
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ハンダル ルシケシュ, 的矢 知樹, 王 允卓, 平野 正徳
原稿種別: 研究会資料
2024 年 2024 巻 FIN-033 号 p.
84-91
発行日: 2024/10/15
公開日: 2024/10/15
研究報告書・技術報告書
フリー
金融工学において、正確なオプション価格設定は市場のダイナミクスと金融商品の複雑さのために依然として重要な課題です。本論文では、最近提案されたコルモゴロフ・アーノルド・ネットワーク(KAN)に基づく革新的な手法を紹介します。この手法は、オプション価格設定に広く使用される適応技術である最小二乗モンテカルロ(LSMC)手法を上回るだけでなく、価格モデルの金融的な意味についても追加の洞察を提供します。私たちの手法は、価格だけでなくデルタも提供し、価格設定だけでなくヘッジ戦略でも高い精度を実現します。私たちは、KANが提供する基底関数の柔軟性を活用することで、私たちのアプローチがLSMCを大幅に改善することを示しています。研究結果は、実践的な金融応用におけるこのモデルの利点を強調し、価格設定とリスク管理の最適化における魅力的な代替手法を提供しています。
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岡澤 拓史, 中村 暢達, 柴田 将, 今井 春奈, 藤村 礼子, 身野 良寛
原稿種別: 研究会資料
2024 年 2024 巻 FIN-033 号 p.
92-98
発行日: 2024/10/15
公開日: 2024/10/15
研究報告書・技術報告書
フリー
本稿では,トラッキングエラーとリバランスコストをバランスさせるようなポートフォリオ最適化問題に対して,量子インスパイヤード技術とFactorization Machine(FM)を用いたブラックボックス最適化手法(量子BBO)の適用を提案する.このような最適化問題は複雑で明示的なモデル化が困難な問題であり,従来効率的に解くことができなかった.提案する量子BBOが,二次計画法を用いたブラックボックス最適化手法,および線形問題として近似的に解く手法と比較して,解の精度が高く,また収束性が優れることを確認した.今後,資産運用戦略,投資商品開発において実用性を検証する予定である.
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東内 駿介
原稿種別: 研究会資料
2024 年 2024 巻 FIN-033 号 p.
99-105
発行日: 2024/10/15
公開日: 2024/10/15
研究報告書・技術報告書
フリー
株式のアノマリーのひとつとして知られるモメンタムファクターはJegadeeshらによって発見された。そのプレミアムの源泉は、行動バイアスによるミスプライスから生じるとするのが定説である。実際、多くの研究において、行動バイアスの代理変数を用いることでモメンタムの効果が高まることが実証的に確かめられてきた。モメンタムファクターは、平時は着実にプレミアムを生み出す魅力的なファクターの1つであるが、市場ストレスの発生時にはモメンタムクラッシュとよばれる現象によって大きなドローダウンを引き起こすことが知られている。運用担当者としては、中長期的な累積パフォーマンスが良好であったとしても、一時的にパフォーマンスが著しく悪化するモメンタムクラッシュは受け入れがたい。本稿では、先行研究で提案されてきた行動バイアスの代理変数などを特徴量とする機械学習モデルを構築した。この機械学習モデルによって銘柄選定を行うことで、パフォーマンスを維持したまま、モメンタムクラッシュによるドローダウンを抑えることができた。
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星野 知也
原稿種別: 研究会資料
2024 年 2024 巻 FIN-033 号 p.
106-112
発行日: 2024/10/15
公開日: 2024/10/15
研究報告書・技術報告書
フリー
本論文では、ネットワーク理論に基づく新たな動的アセットアロケーションを提案する。近年、ネットワーク構造に基づくリスクファクターが注目を集めており、ノード中心性を用いてネットワークリスクを反映したアセットアロケーションが提案されている。本研究では、ネットワークを複数のコミュニティに分割し、グループ中心性を用いて各銘柄群の重要性を評価することで、コミュニティ構造をアセットアロケーションに反映させる。さらに、市場局面の変化をネットワーク大局的指標のひとつであるネットワーク直径で検知し、これを中心性指標に基づく重要性と組み合わせることで、市場局面に応じた動的アセットアロケーションを実現する。実際の市場データによる実証分析を行った結果、提案手法は優れたパフォーマンスを示し有効性を確認した。
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水門 善之
原稿種別: 研究会資料
2024 年 2024 巻 FIN-033 号 p.
113-121
発行日: 2024/10/15
公開日: 2024/10/15
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では海外市場での金利変動が日本の金利市場に与える影響を検証すると共に,機械学習手法を用いて,海外市場からの影響を考慮した円金利の予測モデルの構築を行った.具体的には,グローバルな国債市場におけるイールドカーブの変動に対する相関行列の変遷をクラスタリングすることで,近年の日本と海外市場の関係性の変化(連動性の高まり)を示した.更に,構造VARモデルを用いて米国市場の日本市場に対する伝播の状況を確認すると共に,各種機械学習モデルを用いて,日本市場の金利予測モデルの構築を行った.その際,日本市場の金利情報に加えて,米国市場のデータも特徴量として用いることで,近年の円金利の予測精度の向上を確認した.加えて,特徴量のモデルへのインプット方法の違いによる情報の有効性についても併せて検証した.なお,日本国債の投資家を対象とした調査においても,近年,取引の際に海外金利を注目するといった回答の割合が増えおり,本研究で示した,日本市場の金利予測における海外市場情報の有用性を示す結果と整合的な内容と言えよう.
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須藤 実, 大西 立顕
原稿種別: 研究会資料
2024 年 2024 巻 FIN-033 号 p.
122-129
発行日: 2024/10/15
公開日: 2024/10/15
研究報告書・技術報告書
フリー
金融市場で観測される取引はクラスター性を持つことが知られており,特に高頻度取引(HFT)が市場に与える影響は重要な研究テーマとなっている.本研究では,東京証券取引所の主要な200銘柄の株取引データを用いてHawkes過程に基づくモデリングを行い,取引の内因性と外因性を分析した.HFTと非HFTの影響を分離して分析するために,指数関数カーネルの和を使用したHawkes過程モデルを採用し,2013年2月から2023年12月までのティックデータによるモデリングを行った.その結果,二つ以上の指数関数カーネルを持つモデルが良好なフィッティングを示し,異なる特性の取引活動が市場に及ぼす影響をより捉えられることが確認された.これにより,高頻度取引(HFT)と非高頻度取引(非HFT)が異なるクラスター特性を持つことが示唆される.また,モデルにより,内因性のイベントクラスターが取引数に依存せず独立することや,arrowheadシステム変更後の取引応答速度の向上に伴う時定数の変化が観察された.
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若月 大暉, 金澤 輝代士
原稿種別: 研究会資料
2024 年 2024 巻 FIN-033 号 p.
130-131
発行日: 2024/10/15
公開日: 2024/10/15
研究報告書・技術報告書
フリー
価格の拡散係数である「volatility」は金融市場のリスクの指標として市場設計や取引に活用されてきた。重要な統計量であるvolatilityの性質について代表的な人工市場モデルであるSanta Fe modelのシミュレーションを用いた研究が盛んにされてきた。しかし、Santa Fe modelは多数の注文によって構成されるシステムであり、理論解析が困難なことが知られている。そのため、Santa Fe modelの各パラメータに対してvolatilityがどのように変化するか理論的な理解は十分ではない。そこで、我々はSanta Fe modelに物理学の分野で用いられてきた近似解析手法を適用しvolatilityについて理論解析を行い、その結果について報告する。
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佐藤 優輝, 金澤 輝代士
原稿種別: 研究会資料
2024 年 2024 巻 FIN-033 号 p.
132-134
発行日: 2024/10/15
公開日: 2024/10/15
研究報告書・技術報告書
フリー
金融市場で観測される頑健な統計則に価格インパクトの非線形性という統計測がある。価格インパクトの非線形性は、大口注文を執行によって発生する価格変動(価格インパクト)が非線形な応答を示すという現象である。現在、この価格インパクトの非線形性という現象について、戦略や市場の状態に依存性の有無について議論がされている。例えば、2006年に提案されたGabaix-Gopikrishnan-Plerou-Stanley (GGPS) モデルは、価格インパクトの形状は取引戦略と市場の詳細に依存することを主張している。一方で、取引戦略や市場、参加者などの詳細に依存せず、価格インパクトは平方根則に従うという普遍性を主張するグループも存在する。このように、価格インパクトの性質に関して相異なる主張が共存しているのだが、これは価格インパクトの性質に関する包括的な調査を行った研究が存在しないことが一因にある。本公演では、東京証券取引所の現物板再現データを用いて、価格インパクトの性質について全数調査を行った結果について報告する。最終的に、価格インパクトの非普遍性を主張するGGPSモデルの有効性について、全数調査とシミュレーション結果を踏まえて議論を行う。
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木村 泰知, 佐藤 栄作, 門脇 一真, 乙武 北斗
原稿種別: 研究会資料
2024 年 2024 巻 FIN-033 号 p.
135-141
発行日: 2024/10/15
公開日: 2024/10/15
研究報告書・技術報告書
フリー
本稿では,有価証券報告書に含まれる表を対象としたコンペティション「SIG-FIN UFO-2024タスク」の枠組みについて述べる.有価証券報告書は,企業の財務状況や経営成績を示すために公開される重要な資料であるものの,そのデータを正確かつ効率的に解析するには技術的な課題が残されている.そこで,我々は,TOPIX500の有価証券報告書のデータセットを対象とし,表検索 (Table Retrieval) タスクおよび表質問応答 (Table QA) タスクのコンペティションを提案する.本コンペティションでは,2つのタスクに対して,参加者が自動で処理するシステム (プログラム) を開発し,リーダーボードでその性能を競う.参加者は,タスクの出力結果となるJSONファイルをリーダーボードに投稿することで,Accuracyのスコアおよび順位を確認できる.本コンペティションの上位入賞者には,賞状と副賞を授与する予定である.我々は,コンペティションを通じて,有価証券報告書の利用価値を高めるとともに,金融データを対象とした自然言語処理技術の進展に寄与することを目指している.
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平野 正徳, 今城 健太郎, 齋藤 俊太, 岡田 真太郎, 的矢 知樹, 谷口 徹, 太田 佳敬
原稿種別: 研究会資料
2024 年 2024 巻 FIN-033 号 p.
142-149
発行日: 2024/10/15
公開日: 2024/10/15
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では、金融に特化したLLMの構築に取り組んだ。まず、ドメイン特化のコーパスを構築し、そのコーパスを用いた継続事前学習を実施した。その上で、金融に特化した金融知識の有無を確認するベンチマークを使用し、性能を評価した。さらに、モデルマージを行い、インストラクションへの対応能力をモデルに付与することで、金融のインストラクションモデルを構築した。インストラクションモデルの性能を評価するために、金融に特化した生成の良さを確認するベンチマークを使用し、その性能を比較した。これらの取り組みを通じてLLMを金融に適合させることができることを示した。
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山口 流星, 田代 雄介, 鈴木 彰人, 辻 晶弘, 亀田 希夕, 宮澤 朋也
原稿種別: 研究会資料
2024 年 2024 巻 FIN-033 号 p.
150-154
発行日: 2024/10/15
公開日: 2024/10/15
研究報告書・技術報告書
フリー
近年、大規模言語モデル(LLM)は様々な自然言語処理タスクで顕著な性能を発揮しており、金融領域においても注目を集めている。だが、日本語の金融タスクに特化したLLMは数少なく、またモデル構築においてはデータやコストの面での障壁が存在する。本研究では、進化的モデルマージを用いて日本語金融タスクに適したLLMを構築する方法について検証する。進化的モデルマージとは、複数の異なるLLMを合成して新たに高性能なモデルを構築するモデルマージ手法の1つで、進化的アルゴリズムを活用してモデルを効率的に作成できる点が特徴である。発表では、モデルマージにおけるタスク設定の影響や、マージ後のモデルの特徴などについての検証結果を報告する。
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高野 海斗, 中川 慧, 藤本 悠吾
原稿種別: 研究会資料
2024 年 2024 巻 FIN-033 号 p.
155-162
発行日: 2024/10/15
公開日: 2024/10/15
研究報告書・技術報告書
フリー
Text classification using large language models (LLMs) often has low interpretability and is hard to adjust manually. On the other hand, zero-shot learning, which uses definition statements in LLMs for classification, is more interpretable but creating good definition statements is a challenging task. Therfore, we propose a method to automatically generate definition statements using LLMs to improve classification accuracy and interpretability in (binary) text classification. The proposed method first randomly splits the labeled data and generates (initial) definition statements based on sampled data. Then, it classifies the labeled data using these statements and updates them by inputting misclassified data back into LLMs, repeating this process to improve the definition statements. Experiments with real-world texts show that the proposed method performs well compared to fine-tuned BERT model and LLM few-shot learning and creates appropriate definition sentences.
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陳 穎, 井上 光太郎, 市瀬 龍太郎
原稿種別: 研究会資料
2024 年 2024 巻 FIN-033 号 p.
163-168
発行日: 2024/10/15
公開日: 2024/10/15
研究報告書・技術報告書
フリー
Domain-adaptation causal knowledge plays an important role in an ever-evolving frontier of intelligent inference that references expert cognition in addressing complex decision-making problems. With the recent increase in uncertainty, cognitive biases may induce managers to overestimate their decision-making abilities and the probability of success, potentially leading to irrational decisions. It is both academically and practically important to develop methods from a semantic perspective to directly measure managerial cognitive patterns, apply standardized processes to larger samples, and provide empirical evidence of their impact on corporate decision-making. In this study, we provide a financial expert-annotated dataset to extract CC-BizEnv (Causal Cognition of Business and Environment) of managers from Japanese annual reports. This dataset is based on more granular "cause-effect" annotations and clue expressions for fine-tuning of Pre-trained Natural Language Model (NLM). As a result, according to pre-set ``clues'', CC-BizEnv allows the extraction of sentences containing causal rationale and classification of ``internal cause'', ``external cause'', ``positive effect'' and ``negative effect'' from narratives with 87.4% F1 score. We apply this approach to measure managerial cognitive patterns and identify cognitive biases, such as self-serving attributional bias.
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久保 健治, 中川 慧
原稿種別: 研究会資料
2024 年 2024 巻 FIN-033 号 p.
169-176
発行日: 2024/10/15
公開日: 2024/10/15
研究報告書・技術報告書
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本論文では、深層学習~(DL)を用いたポートフォリオ最適化に取り組む。DLにより、従来のCAPMやファクターモデルでは扱えなかったリターンの非線形性をモデルに組み込むことが可能となった。しかし、DLを用いたポートフォリオ構築においても、リスクとリターンのトレードオフを最適化することが重要であり、このトレードオフを考慮するためにSharpe lossという損失関数が提案された。この方法は、実証的に有用であるが、Sharpe lossには理論的問題がある。まず、損益が負の値を取る場合、その解釈が難しく、非直感的なポートフォリオを構築すること、次に確率的勾配降下法を用いた際に、勾配が不偏推定量とならないことである。そこで本論文では、DLを用いたポートフォリオ最適化のためのリスク回避型効用関数を用いた新しい損失関数を提案する。リスク回避型効用関数は損益が負の場合でも解釈が容易であり、また、勾配が不偏推定量となるため、Sharpe lossが抱えていた問題を回避することができる。加えて、DLからの出力をベースライン戦略のウエイトから差分とすることで、より優れたポートフォリオが構築可能であることを示す。提案手法の有効性を確認するためにS\&P500の過去データを用いた実験を行った。提案手法がSharpe ratioを含めたいくつかの指標でSharpe lossを用いた場合よりも良いパフォーマンスが得られることを示す。
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Kato Masahiro, Nakagawa Kei, Abe Kenshi, Morimura Tetsuro, Baba Kentar ...
原稿種別: 研究会資料
2024 年 2024 巻 FIN-033 号 p.
177-184
発行日: 2024/10/15
公開日: 2024/10/15
研究報告書・技術報告書
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This study investigates the mean-variance (MV) trade- off in reinforcement learning (RL), an instance of sequential decision-making under uncertainty. Our objective is to obtain MV-efficient policies, whose means and variances are located on the Pareto efficient frontier with respect to the MV trade- off; under this condition, any increase in the expected reward would necessitate a corresponding increase in variance, and vice versa. To this end, we propose a method that trains our policy to maximize the expected quadratic utility, defined as a weighted sum of the first and second moments of the rewards obtained through our policy. We subsequently demonstrate that the maximizer indeed qualifies as an MV-efficient policy. Previous studies that employ constrained optimization to address the MV trade-off have encountered computational challenges. However, our approach is more computationally efficient as it eliminates the need for gradient estimation of variance, a contributing factor to the double sampling issue observed in existing methodologies. Through experimentation, we validate the efficacy of our approach.
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冨樫 歩大, 佐野 幸恵, 岡田 幸彦
原稿種別: 研究会資料
2024 年 2024 巻 FIN-033 号 p.
185-191
発行日: 2024/10/15
公開日: 2024/10/15
研究報告書・技術報告書
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近年,情報技術の発展に伴い,従来までは扱えなかった非構造化データ,特にテキストデータを用いた研究が,金融分野においても盛んに行われている.中でも有価証券報告書は,企業の状況を外部に報告するための書類であり,分析対象として注目を集めている.テキスト分析においては,記述内容がポジティブかネガティブかを表すセンチメント分析が主流であり,事前に定義した単語リストを用いる辞書アプローチや,BERTなどの深層学習を用いた機械学習アプローチが存在する.さらに,Twitter(X)のテキストに対しては,センチメントを細分化した多次元感情を分析した研究が存在し,株価を予測する上では,多次元感情が有効であることが示された.しかし,多次元感情を有価証券報告書のテキストから分析した研究は我々が知る限り存在しない.そこで本研究では,従来までのセンチメント分析を拡大し,辞書アプローチと機械学習アプローチを組み合わせることで,"怖""驚""喜"といった10種類の多次元感情を約12,000件の有価証券報告書から算出した.そして,有価証券報告書公表後の株式リターンに対する説明力を,イベントスタディを用いて分析した結果を報告する.
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位田 奨
原稿種別: 研究会資料
2024 年 2024 巻 FIN-033 号 p.
192-196
発行日: 2024/10/15
公開日: 2024/10/15
研究報告書・技術報告書
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本研究では、投資比率を最適化する複利型深層強化学習を用いて、過去のFXレートを用いた金融取引戦略の習得を行う。現在、機械学習を金融に応用する研究が盛んに行われている。複利型強化学習は、利益率の複利効果を最大化する行動を習得することを目的とした強化学習の枠組みである。複利型強化学習には新たなパラメータとして投資比率が存在し、この投資比率を最適な値にすることで、利益率の複利効果を最大化することができる。先行研究において、深層強化学習を複利型に拡張した複利型深層強化学習、複利型深層強化学習における投資比率を最適化する手法がそれぞれ提案されている。本研究では、投資比率を最適化する手法を取り入れた複利型深層強化学習を用いて、実際の過去のドル円のFXレートを用いた、成り行き買い注文と売却を行動とした金融取引戦略の習得を行う。
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幸田 茂樹, 吉田 健一
原稿種別: 研究会資料
2024 年 2024 巻 FIN-033 号 p.
197-203
発行日: 2024/10/15
公開日: 2024/10/15
研究報告書・技術報告書
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既存の研究で約定により株価が変動した後、300秒以内に90%の頻度で前の株価に戻るという特徴を使用した株式売買アルゴリズムを提案した。提案したアルゴリズムは、取引により株価が上下に変動したときに注文を出し、株価が変動前の水準に戻ったときに保有株を売却(空売りの場合は買い戻し)して損益を計算する。しかし既存研究では、損失と利益の閾値を分析しておらず、株式取引アルゴリズムに課題があった。本研究では、より現実的なテクニカル分析を可能にするために、アルゴリズムに閾値を設定した。使用した取引データは、東京証券取引所の注文データである。その結果、損失閾値が一定以上になると利益が損失を上回ることが示された。市場の特徴は公正な株式市場を設計するための基礎情報として活用されることが期待される。
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二俣 新
原稿種別: 研究会資料
2024 年 2024 巻 FIN-033 号 p.
204-208
発行日: 2024/10/15
公開日: 2024/10/15
研究報告書・技術報告書
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東京証券取引所のカーボン・クレジット市場は,まだ取引量は少なくデリバティブ市場は未整備である.欧州連合域内排出量取引制度(EU-ETS)はデリバティブ市場含め多くの課題に対応してきた.本研究では,EU-ETS を分析しCO2排出権のボラティリティが将来の価格変動を予見するのか確認する.インプライド・ボラティリティとストラドル戦略の価格を説明変数とし,回帰分析と移動エントロピー(Transfer Entropy; TE)を用いて将来の価格変動に対する予見性を評価する.単回帰分析の結果,統計的に有意な関係が示された.一方で決定係数は低かった.TEに基づく分析では,逆向きTEより順向きTEが高くボラティリティが時間的に先行する方向の因果関係が示された.また高い行使価格帯において高いTEを示している.これらの結果から,高い行使価格帯のボラティリティにおいて将来の価格変動を予見していることが確認された.
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小林 司, 成末 義哲, 森川 博之
原稿種別: 研究会資料
2024 年 2024 巻 FIN-033 号 p.
209-212
発行日: 2024/10/15
公開日: 2024/10/15
研究報告書・技術報告書
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本研究は,財務データに依存しない新たな信用リスク予測手法の開発を目指し,金融機関の口座情報およびその情報から構築した企業間取引ネットワークの特徴量を用いたモデルの構築に取り組む.具体的には,金融機関の実際の事業性入出金データから構築した大規模ネットワーク(81,680ノード、253,789エッジ)を分析対象とし,金融機関の債務者区分における正常先と非正常先を予測する機械学習モデルを開発する.さらに,特徴量の重要度分析を通じて,予測精度に最も寄与する特徴量を特定し,モデルの解釈可能性を高める.
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Sakurai Rihito, Takahashi Haruto, Miyamoto Koichi
原稿種別: 研究会資料
2024 年 2024 巻 FIN-033 号 p.
213-220
発行日: 2024/10/15
公開日: 2024/10/15
研究報告書・技術報告書
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We address the challenge of accelerating multi-asset option pricing using tensor-train learning algorithms, a type of active machine learning.Here, we build tensor trains using a tensor train learning algorithm to approximate functions appearing in FT-based option pricing along with their parameter dependence and make a new function that takes parameters and outputs the FT-based option prices.Then, we utilize this function to efficiently calculate the option price for the varying input parameters. As a benchmark test, we run the proposed method to price a multi-asset option for the various values of volatilities and present asset prices, involving up to 11 assets.We demonstrate that our method achieves superior computational complexity and time compared to Monte Carlo methods with $10^5$ paths while maintaining comparable accuracy.
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