2024 年 2024 巻 FIN-033 号 p. 33-40
本研究では、企業のウェブサイト上のESG情報の効率的な収集手法を提案する。ESG情報は投資判断や企業評価において極めて重要な情報であるが、ESG情報自体が多岐に渡り、企業のHPや統合報告書等、多くの場所に分散している。そのため、ESG情報の収集には多くの時間が必要になるとともに、包括的な収集が困難であるという課題が存在する。そこで、本研究では機械学習を活用し、当該課題に対処するための次の二つの問題に取り組む。まず、企業HPのURLからESG情報の存在の有無を二値分類する問題に取り組む。次に、ESG情報が存在すると判定されたウェブサイト本文から、実際にESG情報が含まれるかを判定する問題に取り組む。前者の二値分類問題においてはF1スコア0.924を達成し、後者の本文判定問題においてはF1スコア0.986を達成した。これらの結果は、機械学習を用いることでESG情報の効率的かつ広範な取得が可能であることを示している。