2025 年 2025 巻 BI-026 号 p. 23-
本研究では、多品種バッチ生産の機能化学品を対象に、生産スケジューリング・在庫管理・価格戦略を統合したフレームワークを構築する。受注情報を閑散、平常、逼迫など段階的に再現し、納期遵守を目的とした前倒し生産する前詰めのスケジューリング手法と在庫低減を目的とした納期間近に生産を完了する後詰めのスケジューリング手法に加え、価格上昇による需要低減を考慮し、機会損失や在庫コストを抑えることで、収益性を高められることをシミュレーションによって示した。これにより需給状況に応じてスケジューリング手法を柔軟に変更し、価格戦略を適切に組み合わせることでさらなる収益向上が図れることを示唆した。今後、リアルタイムの生産データや市場情報を活用するデジタルツインによる高度化が期待される。