人工知能学会第二種研究会資料
Online ISSN : 2436-5556
多層建築物を対象としたイベントでの災害時避難モデルの構築
村上 裕隆菊地 剛正吉川 厚
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2025 年 2025 巻 BI-027 号 p. 02-

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抄録

大規模施設や多層建築物における災害時の避難安全性の確保は重要な課題である。本研究では、日常的な避難訓練を受けていないイベントでの来場者の自律的行動を再現することを目的として、多層建築物の避難行動を対象にエージェントベースのシミュレーションを構築した。実在する大学建物の図面を基にマップを作成し、事例としてオープンキャンパスを想定した上で、過去の予約データに基づき教室ごとに来場者(避難者)を想定したエージェントを配置した。セルオートマトン型モデルで移動を再現し、最短経路行動と確率的選択行動の比較を行った。試行的にパラメータを変化させた結果、確率的選択行動において従属性が強い場合には避難完了時間が早まり、弱い場合には遅延する傾向が示され、移動特性の違いが結果に反映されることを確認した。

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© 2025 著作者
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