2025 年 2025 巻 FIN-034 号 p. 20-25
本論文ではUFO-2024タスクにおけるFUSINTチームの提案手法と結果について述べる。TableRetrievalタスクでは、有価証券報告書内の特定の表を質問文から検索する手法として、コサイン類似度とリランクを利用した絞り込みと、二値分類モデルによる手法を提案する。約83%の精度を得たが、前処理やセクション予測モデルの汎用化が今後の課題であり、多様な質問形式に対応可能な手法の検討が求められる。TableQAタスクでは、有価証券報告書の表のセルを特定する手法として、表の構造と値の表記揺れの統一に焦点を当てた方法を提案する。本手法の利点として、根拠を可視化できる点が挙げられる。表の行列を分割することで、階層構造を持つ表への対応に課題は残るが、約91%の高い精度でセルの位置を特定することができた。