主催: 人工知能学会
会議名: 第100回言語・音声理解と対話処理研究会
回次: 100
開催地: 国立国語研究所 講堂
開催日: 2024/02/29 - 2024/03/01
p. 128-133
日常会話では、道具が会話資源として会話に存在する。電子メディアは、情報を持ち運び・更新する機能を持つ道具として、会話者の会話を支える同時に、会話を変化させると見られる。本稿では、電子メディアであるパソコンを、会話におけるその形態から考察した。さらに今回は、単に道具としてのパソコンを探求するのではなく、身体の拡張という観点から、「第二顔」としてのパソコンの可能性を分析した。具体的には、「第二顔」を「第二目」と「第二口」に分けた。第一節の母語場面のデータでは、会話者が話をしながら視線を頻繁に往復させるという現象がとらえられた。この行動は、相手の志向線を追おうとしていると分析された。第二節の接触場面のデータでは、母語話者が相手のパソコンを長時間見ている場面が見られた。この行為は、言語能力を均衡にし、非母語話者をサポートする意図であると分析された。