主催: 人工知能学会
会議名: 第100回言語・音声理解と対話処理研究会
回次: 100
開催地: 国立国語研究所 講堂
開催日: 2024/02/29 - 2024/03/01
p. 137-142
本研究では、対面で行われている小売業の接客サービスにおいてしばしば見られる「お見送り」を分析対象とする。「お見送り」は、店内で会計を終えた後に、レジがある場所から店の出入口まで、退店を目的として客が歩いていく際、店員も付き添って一緒に歩いていく活動を指す。特に、郊外型ショッピングセンターのアパレル接客場面における常連客と店員の音声データを中心に、会計終了後からお見送りを経て別れに至るまでの参与者らによる言語的振る舞いを記述する。具体的には、3件のデータから、(1)お見送りの長さはさまざまであること、(2)お見送りの最中には会話が行われており、会話終結に向けた典型的な話題が採用されていること、そして(3)店の出入口に到着すると会話がすぐさま最終交換に至ることを示す。最後に、別れを繕う言語的手続きが極めて短いさまから、お見送りが名残惜しさを演出するための儀礼的な実践である可能性を述べる。