人工知能学会研究会資料 言語・音声理解と対話処理研究会
Online ISSN : 2436-4576
Print ISSN : 0918-5682
100回 (2024/02)
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次話者指定の有無を区別するTRPを利用した3人会話場面の話者交替予測モデル
岩立 直也有本 泰子
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会議録・要旨集 認証あり

p. 27-32

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抄録

本研究では,3人会話において,次話者指定の有無を区別する話者交替予測モデルを構築する.人同士の会話では円滑に話者が交替するが,現状の音声対話システムは一定の沈黙を検出して応答を開始するため,ユーザと発話が衝突したり,応答が遅れるなど話者交替予測が不十分である.既存の研究では,聞き手が発話を行えるタイミングである話者移行適格場(TRP)の情報を使用し,話者交替の予測精度を向上させた.しかし,現話者が他者を選択して話者が交替したのか,自己の判断により交替したのかを区別できておらず,システムはユーザに不信感を与える可能性がある.従って,他者選択・自己選択による話者の交替と,TRP・非TRPでの話者継続の4クラスを区別する話者交替予測モデルを提案し,その有効性を検証した.実験結果は,4クラス予測は従来の話者交替予測よりも予測精度が低く,4クラス予測ではTRPの情報が有効であることが示唆された.

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