主催: 人工知能学会
会議名: 第103回言語・音声理解と対話処理研究会
回次: 103
開催地: 早稲田大学 40号館 グリーン・コンピューティング・システム研究開発センター
開催日: 2025/03/20 - 2025/03/22
p. 114-120
本研究では,対面会話とオンライン会話において,参与者の視線の配布がどのように異なるかという問題について,配布位置および配布のタイミングという観点から分析を行う.これまで,視線は会話における順番交代において重要な役割を果たすことが知られているほか,参与者の注意や関与を示すものとしても注目されてきた.他方,近年急激に身近なものとなったオンライン会話においては,視線の情報が対面会話とは異なった仕方で利用されている可能性が指摘されてきている.こうしたことを踏まえ,本研究では,同じ参与者のペアで両条件における会話を収録し,それぞれの注視位置および注視時間について集計した.分析の結果,注視位置については大きな違いが見られなかったが,順番交代における注視開始については違いがあることがわかった.このことが対面会話とオンライン会話における発話連鎖の違いに関係している可能性が示唆された.