人工知能学会研究会資料 言語・音声理解と対話処理研究会
Online ISSN : 2436-4576
Print ISSN : 0918-5682
103回(2025/3)
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ASD傾向者が多い職場への曖昧語指摘ツールの導入効果
井阪 建西條 涼平松尾 翔平戸嶋 巌樹澤瀬 順一
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会議録・要旨集 認証あり

p. 254-257

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抄録

ASD傾向が高い人の多い職場では、ミスコミュニケーションが起こりやすく、職場内でのコミュニケーションの失敗経験に起因する離職率が高いという社会問題がある。とくに曖昧な言葉(曖昧語)に対しては、発話者の意図とは異なる誤った解釈をする可能性がASD傾向の強さに従って高まり、ミスコミュニケーションの主要因となっていることがわかっている。この問題を解決するため、我々はオンライン会議において発話された曖昧語を検知・通知し、明確な言葉への言い換えを発話者に促すツールを開発している。本ツールを高ASD傾向者が多く勤める職場に約2か月間導入し、通常業務におけるオンライン会議時に試用させた結果、発話される曖昧語の数が導入初期から徐々に減少していく傾向を観測した。参加者へのインタビューでも、「内容の具体化により手戻りが減った」といった報告があり、実際の職場への導入の有効性を確認した。

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