主催: 人工知能学会
会議名: 第103回言語・音声理解と対話処理研究会
回次: 103
開催地: 早稲田大学 40号館 グリーン・コンピューティング・システム研究開発センター
開催日: 2025/03/20 - 2025/03/22
p. 96-101
笑いの伝染性が共起笑いの音響特性に与える影響を明らかにするため,共起笑いの誘発要因と時間的要因の違いによる笑い声の音響的傾向を分析した.笑い合う場面で後発した笑いが対話相手の笑い声に誘発されたのかその他の要因に誘発されたのか笑い声とその他の要因の両方に誘発されたのかによって,共起笑いを3つに分類した.音響分析には,5つの音響的特徴量を使用した.誘発要因によって共起笑いの音響的特徴量に差があるか検証するため,各特徴量に対して共起笑いの誘発要因と時間的要因の2要因を用いた二元配置分散分析を実施した.その結果,笑いの伝染性による共起笑いは最大強度が小さく,継続時間長が短いことが分かった.また,笑いの伝染性による後発笑いの方が先発笑いよりも継続時間長が短いことが分かった.笑いの伝染性による共起笑い時,お互いの話者は小さい声で笑い合い,笑いが伝染した話者の方が短い声で笑う可能性が示唆された.