主催: 人工知能学会
会議名: 第106回言語・音声理解と対話処理研究会
回次: 106
開催地: 早稲田大学 早稲田キャンパス8号館B107
開催日: 2026/03/03 - 2026/03/04
p. 171-176
対話参加者が相互に共有されていると了解している前提や知識・信念の集合は,対話における「共通基盤」と呼ばれ,対話を通じて更新されながら,理解および行動の調整を可能にする基盤である.共通理解を効率的に深めるためには,参加者間で何がどの程度共有されているのかを相互行為の中で推定し,その推定に基づいて発話や行為を調整することが不可欠である.本研究では,人間が対話の中で共通基盤を効果的かつ効率的に構築・利用している実践に着目する.そのために,タングラム命名課題における人間同士の対話をモデルとし,その手順と表現様式をシミュレートするLLM対話システムを構築し,共通基盤を通した課題達成に要する認知的コストを分析した.その結果,Holistic表現とAnalytic表現の出現頻度が人間同士の対話と整合する条件下では,認知的コストが低くなる傾向が示された.