会議名: 第106回言語・音声理解と対話処理研究会
回次: 106
開催地: 早稲田大学 早稲田キャンパス8号館B107
開催日: 2026/03/03 - 2026/03/04
p. 64-67
本研究は、クラシックバレエの指導場面において、指導者が身体によって生成する音声的資源(手拍子、足踏み、指鳴らしなど)に注目し、それらが学習者や伴奏者に向けて求められる拍やタイミングを外化する相互行為資源としてどのように機能しているのかを検討する。バレエ指導は、音楽や拍による時間的制約の下で、動きの質やタイミングといった身体的・感覚的な情報の即時的な共有を要する実践であり、言語的説明のみによる指導には限界がある。本研究では拍を分析上の枠組みとして用い、指導者の発話に先行・同期・追随して生成される身体音と身体動作の時間的配置に着目する。これらの資源が拍を刻む基準にとどまらず、注意喚起や動作開始の先取り、踊りの速さや重みの差異化を通じて踊り方に関わる身体知を外化し、相互行為を組織している過程を明らかにする。