会議名: 第106回言語・音声理解と対話処理研究会
回次: 106
開催地: 早稲田大学 早稲田キャンパス8号館B107
開催日: 2026/03/03 - 2026/03/04
p. 68-73
我々は,人間どうしの対話における「心情」理解の高度化を目的として,対話の直後に当事者どうしが自身の対話映像を視聴しながら心情を自然に語り合うという,メタ対話の枠組みを構築している.対話において,受け手は話し手による発話の組み立てを意外性のあるものとして受け取りうるが,そうした意外性は必ずしも受け手による次の行為において表出されるわけではない.そのような,対話のなかでは明示的に表出されなかった,発話に対する意外性が,メタ対話において当該発話の受け手によって表出・言及され,それに対して当該発話の話し手が同調したり反駁したりする様子がみられる.本発表では,そのように表出される互いの発話に対する意外性を一つの「心情」の表れと捉え,メタ対話における発話の意外性をめぐる交渉の過程を会話分析の観点から分析する.それにより,メタ対話という機会が生み出す「心情」表出の特徴の一端を明らかにする.