人工知能学会研究会資料 言語・音声理解と対話処理研究会
Online ISSN : 2436-4576
Print ISSN : 0918-5682
94回 (2022/3)
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指示表現の調整を通した対話における基盤化モデル
浅野 恭四郎須藤 早喜光田 航東中 竜一郎竹内 勇剛
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p. 07-

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抄録

対話における基盤化は対話者同士の共通認識の形成を指し,円滑な対話の成功に重要な役割を果たす.基盤化の対象の様相や構造が複雑な時,形状などの細部に言及するAnalyticな表現や,細部を明示せず全体像を比喩などによって言及するHolisticな表現が用いられる.これらの指示表現は,協調にかかるコストを最小限に抑える働きにより調整されていると定性的に論じられているが,検討は十分ではない.そこで本研究では,基盤化過程において多くの発話を行うことに費やされるコストを低く抑えようとする働きがあると仮定し,このプロセスによって指示表現が生成されるモデルを提案した.提案モデルの検証のために,コストを低く抑えようとするプロセスを含まないベースラインモデルを設け,タングラムが基盤化される際の対話データに各モデルを適用した.その結果から,基盤化過程におけるコストに基づく人間の振る舞いの原理について検討した.

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