人工知能学会研究会資料 言語・音声理解と対話処理研究会
Online ISSN : 2436-4576
Print ISSN : 0918-5682
94回 (2022/3)
選択された号の論文の21件中1~21を表示しています
  • 水野 沙希, 北条 伸克, 小橋川 哲, 増村 亮
    原稿種別: 研究会資料
    p. 01-
    発行日: 2022/02/25
    公開日: 2022/02/25
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,ビデオ会話での次話者予測に取り組む.従来,対面対話の次話者予測のために,頭部動作や視線等の非言語特徴が使用される.しかし,ビデオ会話では,これらの動作変化が小さいため,高精度な次話者予測は困難である.また,非言語特徴量は個人性があるため,参与者組に対し頑健な次話者予測には,参与者の組み合わせに富んだ学習データが求められる.しかし,従来研究の学習データは収録データのみから構成されるため,含まれる参与者組の数に限度がある.以上から,提案手法では,1) ビデオ会話でも有用な特徴量の導入と,2) 学習データ中の参加者組の疑似拡張を行う.ビデオ会話データを用いた次話者予測実験により,提案手法の有用性を検証する.

  • 上垣 貴嗣, 清水 健吾, 菊池 英明
    原稿種別: 研究会資料
    p. 02-
    発行日: 2022/02/25
    公開日: 2022/02/25
    会議録・要旨集 フリー

    近年, 人と雑談を行う非タスク指向対話システムが社会に普及してきている. 現状の非タスク指向対話システムでは, 一般的な応答が可能となり始めている一方, 友人同士のような関係性構築を目指して応答するものは少ない. そこで本研究では, 友人同士の対話に見られるからかいやいじり, 皮肉といった応答(からかいユーモア応答)を行う対話システムを構築し, からかいユーモア応答がユーザーの対話継続欲求に与える影響を調査した. モデル学習のデータには, 独自に収集したからかいユーモア応答の対話コーパスを利用した. モデルには, ユーモアの連想構造を仮定して, Wikipediaの記事リンクから抽出した知識グラフ活用型のTransformerを採用した. 主観評価実験の結果, 応答の自然さやからかいユーモアらしさの高いモデルを構築できた一方, 対話継続欲求評価では一般応答群と比べて低い結果となった.

  • 星 祐太, 奥田 誠, 萩尾 勇太, 上村 真利奈, 金子 豊, 西本 友成
    原稿種別: 研究会資料
    p. 03-
    発行日: 2022/02/25
    公開日: 2022/02/25
    会議録・要旨集 フリー

    我々は、人と一緒にテレビを視聴することで、番組に関する感情の共有や、話題に沿った対話を楽しむことができるコミュニケーションロボットの開発を進めている。コミュニケーションロボットは、テレビ視聴時に人が発話した内容に対して、共感するような応答を行う必要がある。そこで本稿では、コミュニケーションロボットの応答文を生成するために、人同士のテレビ視聴時の発話対を利用して、機械翻訳オープンソースOpenNMTにより対話モデルを構築した。また、テレビ視聴時の発話対のテストデータを対話モデルに入力し、生成された応答文の発話文字数と自然性について評価した。その結果、テレビ視聴時の発話対を用いることで、発話文字数は短文となる傾向があり、また、自然性の評価が高くなる傾向を確認した。

  • 須藤 早喜, 浅野 恭四郎, 光田 航, 東中 竜一郎, 竹内 勇剛
    原稿種別: 研究会資料
    p. 04-
    発行日: 2022/02/25
    公開日: 2022/02/25
    会議録・要旨集 フリー

    人は対話を通して信念の共有や意図や解釈を確認しながら理解し合うことで,共通の認識として共通基盤が生成されていると考えられる.本研究では,共通基盤が生成するための対話のプロセスを確認するため,相手の状態が不明確な状況下二者で行うタングラム命名課題を用意して実験を行った.発話には具体的な情報を用いて説明する表現(Analytic)と他の概念に例えて説明する表現(Holistic)が存在することに着目し,2つの条件における課題全体の表現の推移の比較を行なった.その結果,どの状況においてもHolisticの方がAnalyticよりも多く使用して対話を進行していることが明らかになり,互いにボトムアップな情報の確認を行って共通基盤を構築して対話を進行させるのではなく,互いに基盤化しているような想定に基づいた発話が多いことが示唆された.

  • 小松 亮太, 豊田 啓介, 木村 友祐, 森 滉介, 日野 健人, 篠崎 隆宏
    原稿種別: 研究会資料
    p. 05-
    発行日: 2022/02/25
    公開日: 2022/02/25
    会議録・要旨集 フリー

    本発表では,音声言語獲得のためのツールキットSpolacqを紹介する.人間と共生するロボットの実現には,自律的に音声言語を学習し様々な環境に適応する能力が求められる.音声言語獲得は,エージェントが人間によるテキストラベルを用いずに環境の中で自律的に音声言語を獲得しようとするものである.本エージェントでは音声言語獲得の学習要素を1)聞こえてくる音声からの単語発見,2)音声と視覚的情報の意味接地,3)状況に応じた発話意図生成,4)意図した行動に対応する音声生成,に分解してモデル化している.Spolacqでは各要素を1)単語セグメンテーション,2)音声画像対応学習,3)強化学習による試行錯誤に基づく対話,4)音声辞書による発話空間の探索,により実装している.

  • 清水 健吾, 上垣 貴嗣, 菊池 英明
    原稿種別: 研究会資料
    p. 06-
    発行日: 2022/02/25
    公開日: 2022/02/25
    会議録・要旨集 フリー

    雑談対話システムがユーザに「また対話したい」と思わせるための方法として,特定のキャラクタらしさをシステム応答に付与する方法が考えられる.本研究は,強化学習を用いてニューラル対話生成モデルをfine-tuningすることで,特定のキャラクタらしい雑談応答を生成する対話生成モデルを提案する.Fine-tuningの際に,特定のキャラクタらしさを持つ独立した発話データのみを必要とし,対話形式のデータを必要としない点で既存研究と大きく異なる.評価実験では,被験者に提案手法による対話システムとチャットアプリ上で数ターンの対話を行ってもらった.評価実験の結果,提案手法による対話システムが,ユーザに特定のキャラクタらしさの印象を与え,「また対話したい」と思わせる効果を持つことを確認した.

  • 浅野 恭四郎, 須藤 早喜, 光田 航, 東中 竜一郎, 竹内 勇剛
    原稿種別: 研究会資料
    p. 07-
    発行日: 2022/02/25
    公開日: 2022/02/25
    会議録・要旨集 フリー

    対話における基盤化は対話者同士の共通認識の形成を指し,円滑な対話の成功に重要な役割を果たす.基盤化の対象の様相や構造が複雑な時,形状などの細部に言及するAnalyticな表現や,細部を明示せず全体像を比喩などによって言及するHolisticな表現が用いられる.これらの指示表現は,協調にかかるコストを最小限に抑える働きにより調整されていると定性的に論じられているが,検討は十分ではない.そこで本研究では,基盤化過程において多くの発話を行うことに費やされるコストを低く抑えようとする働きがあると仮定し,このプロセスによって指示表現が生成されるモデルを提案した.提案モデルの検証のために,コストを低く抑えようとするプロセスを含まないベースラインモデルを設け,タングラムが基盤化される際の対話データに各モデルを適用した.その結果から,基盤化過程におけるコストに基づく人間の振る舞いの原理について検討した.

  • 井上 恵彰, 谷津 元樹, 森田 武史
    原稿種別: 研究会資料
    p. 08-
    発行日: 2022/02/25
    公開日: 2022/02/25
    会議録・要旨集 フリー

    ユーモアを含む直喩表現生成における課題として直喩表現の質が挙げられる.先行研究より,ユーモアには,意外性,新規性,具体性の3つの要素が含まれると考えられる.本研究では,これら3つの要素を考慮したユーモアを含む直喩表現生成システムの実装を試みる.意外性を実現するために,京大格フレーム及びword2vecを利用し,新規性を実現するために,twitterの最新ツイートを取得し,具体性を実現するために,JUMAN7.0の形態素解析を用いて固有名詞抽出を行った.20~24歳の男女110人の被験者を対象に,直喩表現として成立しているかどうか,最もユーモアのある直喩の選択,直喩に意外性,新規性,具体性が認められるかの3つの評価を行った.結果,意外性,新規性,具体性全てを実現した直喩が最も直喩表現として成立していた.また,最もユーモアがあると評価された直喩は,意外性と具体性のみを実現した直喩であった.

  • 掛川 夏海, 谷津 元樹, 森田 武史
    原稿種別: 研究会資料
    p. 09-
    発行日: 2022/02/25
    公開日: 2022/02/25
    会議録・要旨集 フリー

    対話システムが利用者のストレスを緩和する役割を担うためには,ユーモアを交えた対話を行えることが重要である.対話において成立するユーモアの一種としてコントが挙げられ,ボケやツッコミはその重要な構成要素である.ツッコミができる対話システムを実現するためにはボケに対する検出機構が必要だと考えられる.そこで,コントの書き起こしテキストを入力とし,22種類の特徴量を用いたランダムフォレスト法による分類学習に基づくボケ検出モデルを提案する.さらに,ボケ検出モデルを用いたボケ検出機構を汎用的言語理解フレームワークに統合する.提案手法を評価するために,あるコントの書き起こし949文を対象にボケ検出モデルを構築し,10分割交差検証を行った.その結果,検出性能を示すF値は0.61となった.有効な特徴量は発話者,対象文の1つ後の文の語尾,対象文および後続する一文間の文章類似度であった.

  • 鈴木 奈央, 徳永 弘子, 山田 晴奈, 楊井 一彦, 高柳 直人, 平石 牧子, 武川 直樹
    原稿種別: 研究会資料
    p. 10-
    発行日: 2022/02/25
    公開日: 2022/02/25
    会議録・要旨集 フリー

    本研究は,高齢者の初対面会話の中で交わされるやりとりを通して,親疎関係をどのように調整し交友関係を形成するのかを明らかにする.分析のため,話し手と聞き手の発話にスピーチレベルを付与し,どのレベルの発話が使用されるのか,そのレベルがどのようにシフトするのかに着目する.具体的には,初対面同士で70歳以上の女性8名を対象に収録した二者会話を書き起こし,話し手発話1520個,聞き手発話2188個にスピーチレベルを付与した.その結果,スピーチレベルは話し手では丁寧体,聞き手では普通体を基調に用いられていたことから,参与役割でスピーチレベルを使い分けていることが示された.さらに,事例分析では,同じ表現でも内容に応じて微かな親疎の差を調節していることや,相手のレベルに同調しつつ心的距離を調整していることが観察された.

  • 叶 暁峰
    原稿種別: 研究会資料
    p. 11-
    発行日: 2022/02/25
    公開日: 2022/02/25
    会議録・要旨集 フリー

    言語だけでなく、非言語コミュニケーションの角度からコミュニケーション能力を見直す必要があると考える。本研究では、今後注目を集めると考えられる日本語コミュニケーション能力測定試験JLCATの口頭能力検定試験の評価基準を考察対象とし、ヴァーガス(2004)の非言語分類を参照した上で、それらが非言語コミュニケーションとどのように関わっているか、非言語行動の役割について分類し、考察を行なった。以下のようなことを明らかにした。・学習者へのフィラー、ポーズ、発話スピードなどの非言語行動面の指導が必要である。・イントネーション上の問題は日本語学習の初期段階から学習者の関心や注意を喚起するべきである。・学習者に色々な相手と会話できるような環境を設ける日本語教師の工夫が必要である。・日本語教師も自身の非言語行動に気をつけるべきである。この考察結果をもとに、日本語教育における非言語の指導に役たせたい。

  • 梁 勝奎
    原稿種別: 研究会資料
    p. 12-
    発行日: 2022/02/25
    公開日: 2022/02/25
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では、依頼する前に謝罪表現「ごめん」を用いることによってどのような相互行為上の課題に対処しているかを、会話分析の方法を用いて明らかにする。依頼行為を組み立てる際に、依頼の受け手が現在している活動と依頼内容が関係あるかどうかは依頼者が考慮しなければいけない重要な要素である。受け手が現在している活動と関係がないことを頼むことは、関係あることを依頼することより相手に負荷をかけるので、よりデリケートに行為を構成する必要がある。食事の場面で「ごめん,その皿ちょうだい」のように、依頼の前に謝罪表現「ごめん」を使うことは、受け手が現在している活動と依頼内容が関係ない(違う活動の)場合によく現れ、単に謝罪の気持ちを表すだけではなく、依頼する内容が依頼者が個人で行う活動のためのものであることと共に、活動の中断または軌道の変更など、受け手の現在の活動の進行性に影響を与えることを投射している。

  • 中矢 明歩, 岡本 雅史
    原稿種別: 研究会資料
    p. 13-
    発行日: 2022/02/25
    公開日: 2022/02/25
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では、複数の会話参加者が同時に話す発話の重なり箇所を「発話重複」と定義し、オンライン会話における先行発話への「阻害」に着目して発話重複の機能を解明することを目的とする。また対面会話との違いを考察し、それぞれの発話重複の回避の仕方についても明らかにする。日常的な会話場面の1つである4人組の「飲み会場面」を取り上げ、対面会話2組、オンライン会話2組の映像を観察した。発話重複の回数や生起箇所、言い止めの生起頻度などを定量的に分析し、その後発話重複による先行発話への阻害の有無を、発話内容や発話重複が生起するタイミングに即して定性的に考察した。その結果、オンライン会話は対面会話よりも先行発話への阻害の機能をもちやすく、発話重複の中でも「自己選択競争による同時発話」、「割り込み・意図的介入」、「TRPの誤認」、「ターンを要求しない発話」による重複は阻害のある発話重複になりやすいことが示唆された。

  • 村岡 春視, 細馬 宏通
    原稿種別: 研究会資料
    p. 14-
    発行日: 2022/02/25
    公開日: 2022/02/25
    会議録・要旨集 フリー

    オンライン会議システムを用いた会話では、コンマ秒単位の音声遅延が起こり、それが原因と思われる発話のオーバーラップがしばしば観察される。本研究では、YouTube上で公開されている芸人どうしのオンライン会議の会話を対象に、発話のオーバーラップが起こる複数の事例の過程を検討した。オーバーラップが問題源化されるのは、主に、ある発話がTRPに至った後に次の順番を開始しようとする複数人の競合によってオーバーラップする場合だった。問題源は聞きとりに関する問題であることが多いこともあり、リピート要求をする明示的他者回収の割合が高かった。また、発話の主張や志向が強い発話が回収されやすい一方で、回収されない発話も発生しており、発話間で回収において優先性があることが示唆された。またオーバーラップを回避する方法として、あいづちやリピート要求を身体動作で行う工夫も観察された。

  • 西阪 仰
    原稿種別: 研究会資料
    p. 15-
    発行日: 2022/02/25
    公開日: 2022/02/25
    会議録・要旨集 フリー
  • 有岡 無敵, 吉野 幸一郎, 中村 晢
    原稿種別: 研究会資料
    p. 16-
    発行日: 2022/02/25
    公開日: 2022/02/25
    会議録・要旨集 フリー

    説得対話システムは、対話を通じてユーザを対話システムが持つ目的状態に向けようとするシステムである。本研究では、WoZ法による遠隔操作によって説得対話データセットを収集し、収集した対話データを用いて説得対話システムを構築した。対話システム構築にはTransformerモデルで学習された大規模事前学習対話モデルを用い、収集した説得対話データでfine-tuningした。構築したシステムをユーザの対話実験によって評価した。具体的には、提案システムを人間が説得を行った場合と比較し、構築した説得対話システムの説得可能性について評価した。

  • 河野 誠也, 波部 英子, 湯口 彰重, 吉野 幸一郎
    原稿種別: 研究会資料
    p. 17-
    発行日: 2022/02/25
    公開日: 2022/02/25
    会議録・要旨集 フリー

    説得における対話場面では,説得者は自身の意図を相手に押し付けるだけでなく,相手に与える負担に配慮することや,相手のフェイス(面子や自尊心とも)を尊重することが,円滑な人間関係を維持しつつ説得を遂行するために重要である.本研究では,説得対話システムへの応用を目的として,人対人,人対システムにおける日本語説得対話コーパスに対して,これらを考慮した対話要素としてポライトネスに着目した分析単位であるFace Actのアノテーションを実施した.また,アノテーション結果の分析を通じて,日本語説得対話における発話行為が対話参与者のフェイスに与える影響とその変動,対話における諸要素との関連性について明らかにする.さらに,Face Actを日本語説得対話システムに応用するための必要な道筋を議論する.

  • 北条 伸克, 小橋川 哲, 水野 沙希, 増村 亮
    原稿種別: 研究会資料
    p. 18-
    発行日: 2022/02/25
    公開日: 2022/02/25
    会議録・要旨集 フリー

    本稿では,交渉対話から満足度や信頼等の主観評価スコアを推定するタスク(交渉印象推定)を検討する.交渉は人の心理の多くの側面に影響するため,交渉印象推定の検討のためには,様々な心理測定結果が付与された交渉コーパスが必要である.しかしながら,従来の交渉コーパスは,客観的な交渉結果や心理の一側面に関する情報のみが付与されている.更に,多くの従来コーパスは,交渉の初心者と単純化されたシナリオを使用するため,実際の交渉とは交渉者の行動や心理に乖離が生じるという懸念がある.以上から,本稿では,1) 様々な心理測定結果の付与2)交渉熟練者の使用3) 交渉の文脈を含むシナリオの使用という3つの特徴を持つ交渉コーパスを構築した.本研究では,非言語情報に基づく交渉印象推定を検討するため,交渉の映像と音声を収録した.実験結果により,マルチモーダル情報から交渉印象推定可能であることを示す.

  • 黒嶋 智美
    原稿種別: 研究会資料
    p. 19-
    発行日: 2022/02/25
    公開日: 2022/02/25
    会議録・要旨集 フリー

    本発表では,消化器外科手術中に外科医らによってなされる,血管や体内組織の同定,または手術についての提案などの行為連鎖の分析を通して,視覚的になされる「認識」が,どのように実際の活動に参加する参与者達によって概念的に捉えられ,ある行為を組み立てる資源となっているのか考察を試みる.「認識」は,日常的に使用される概念であり,様々な活動,行為の産出において基盤となる.それは,外科医のような専門的な活動を行っている参与者にとっても同様である.この特徴のため,私たちはたとえ外科医と同じ水準の専門的知識がなくても外科手術場面で外科医が何を行っているのかはだいたい説明することが出来る.このような方針のもと,外科医がどのように血管や身体の組織を「認識」し,様々な行為を達成しているのか,また,受け手はどのようにそのように構築された行為であるという理解を,応答の組み立てに反映させているのか,観察と記述を試みる.

  • 川島 理恵
    原稿種別: 研究会資料
    p. 20-
    発行日: 2022/02/25
    公開日: 2022/02/25
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,様々な医療現場の意思決定過程において感情がどのように扱われているかに着目して分析を行う.医療現場において治療方針の決定において患者の意思を尊重する風潮が重視されるようになって久しい.患者中心主義と言われる実践においては,患者が自身の感情を吐露できることも含め,自由に意思を述べられることが望ましいとされている.しかしながら,どのような場面において感情表現が患者からなされ,それに対して医師が実際にどのように対応すべきかという点に関しては,十分な議論が進んでいない.本研究では,会話分析を用いて,意思決定場面においてどのような連鎖上の位置で,特に患者のネガティブな感情があらわになり,医師がどのような対応を行っているのかを明らかにする.その結果,意思決定過程における感情の共有が果たす役割について議論を深めたい.

  • Jonas IVARSSON
    原稿種別: SIG paper
    p. 21-
    発行日: 2022/02/25
    公開日: 2022/02/25
    会議録・要旨集 フリー
feedback
Top