近年, 人と雑談を行う非タスク指向対話システムが社会に普及してきている. 現状の非タスク指向対話システムでは, 一般的な応答が可能となり始めている一方, 友人同士のような関係性構築を目指して応答するものは少ない. そこで本研究では, 友人同士の対話に見られるからかいやいじり, 皮肉といった応答(からかいユーモア応答)を行う対話システムを構築し, からかいユーモア応答がユーザーの対話継続欲求に与える影響を調査した. モデル学習のデータには, 独自に収集したからかいユーモア応答の対話コーパスを利用した. モデルには, ユーモアの連想構造を仮定して, Wikipediaの記事リンクから抽出した知識グラフ活用型のTransformerを採用した. 主観評価実験の結果, 応答の自然さやからかいユーモアらしさの高いモデルを構築できた一方, 対話継続欲求評価では一般応答群と比べて低い結果となった.
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