人工知能学会研究会資料 言語・音声理解と対話処理研究会
Online ISSN : 2436-4576
Print ISSN : 0918-5682
94回 (2022/3)
会議情報

初対面の高齢女性二者会話における親疎関係の調整プロセス-話し手と聞き手におけるスピーチレベルの観点から-
鈴木 奈央徳永 弘子山田 晴奈楊井 一彦高柳 直人平石 牧子武川 直樹
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 10-

詳細
抄録

本研究は,高齢者の初対面会話の中で交わされるやりとりを通して,親疎関係をどのように調整し交友関係を形成するのかを明らかにする.分析のため,話し手と聞き手の発話にスピーチレベルを付与し,どのレベルの発話が使用されるのか,そのレベルがどのようにシフトするのかに着目する.具体的には,初対面同士で70歳以上の女性8名を対象に収録した二者会話を書き起こし,話し手発話1520個,聞き手発話2188個にスピーチレベルを付与した.その結果,スピーチレベルは話し手では丁寧体,聞き手では普通体を基調に用いられていたことから,参与役割でスピーチレベルを使い分けていることが示された.さらに,事例分析では,同じ表現でも内容に応じて微かな親疎の差を調節していることや,相手のレベルに同調しつつ心的距離を調整していることが観察された.

著者関連情報
© 2022 人工知能学会
前の記事 次の記事
feedback
Top