人工知能学会研究会資料 言語・音声理解と対話処理研究会
Online ISSN : 2436-4576
Print ISSN : 0918-5682
95回 (2022/9)
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ケアモードのコミュニケーションにおける感情表出と共感形成
河原 清志
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p. 08-13

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抄録

本発表は、がんの闘病に関する書籍のテキストを素材にした読書会の会話録から、参加者がどのように感情表出しつつ共感を形成してその場のラポールを高め、相互にケアを行ったかについての検証を目的とする。具体的には読書会に際し、参加者にはその場で抱いている思いを自由に語っていただいた。テキストの特定の一節を指定し、それについてどう思うか、どう感じるかを、ご自身の人生経験を踏まえて自由に意見を述べ合う形で進めた。感情の対象として、書籍や筆者に対する感情、テーマに対する感情、自身の経験を語る際の感情、自分自身に対する感情、他者が語った経験に対する感情などが観察された。そしてこれらが福田(2008)による感情の4層モデル(原始情動、基本情動、社会的感情、知的感情)のどれに該当するかを同定しつつ、どのように相互に共感が形成されていったかを論じる。福田正治「感情の階層性と脳の進化」(『感情心理学研究』16-1)

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© 2022(一社)人工知能学会
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