人工知能学会研究会資料 言語・音声理解と対話処理研究会
Online ISSN : 2436-4576
Print ISSN : 0918-5682
97回 (2023/2)
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モダリティと社会的関係性の違いが遠隔対話上での共通基盤構築に与える影響分析
齋藤 光輝古谷 優樹小倉 功裕光田 航東中 竜一郎高汐 一紀
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p. 74-79

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抄録

対話において共通基盤を構築することは重要である.我々は先行研究において,モダリティが豊富な状況で社会的関係性が親密な作業者ペアが遠隔対話を通じて特定の課題を実施した際に,共通基盤構築が円滑に進むことを発見した.本研究では,先行研究で収集された対話データを対象に,共通基盤構築が円滑に進む要因の分析を行った.その結果,要因の一つとして,モダリティが豊富な状況で社会的関係性が親密な作業者間では,交替潜時が有意に長いことが明らかになり,交替潜時が長い場合,一方の作業者の問いかけに対して他方の作業者が熟慮したのち返答を行っている傾向が見られた.これらの結果から,具体的な内容を伴なう発話の多寡が共通基盤を円滑に構築する要因の一つとなっていることが示唆された.

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