平坦なコンクリート路面上の直進走行下における,タイヤラグを起振力とする農用トラクタ単体の6つの車体振動モードを分析した。この結果,ピッチ運動と上下の並進運動は,左右の後輪ラグに起因する振動で発生したが,ヨー運動と左右並進運動は対向する後輪ラグにより励振される強制振動として発生していた。また,ロール運動は両方で発生したが,これは各々のラグの接地が上下方向への励振源となり,対向ラグが左右方向への励振源となることを示していた。前輪ラグの振動数によってもピッチ運動と上下方向の並進運動が発生したが,前輪対向ラグ振動数によって発生する振動については明確な結果は得られなかった。