ケイ酸ナトリウム,寒天,高吸水性樹脂の3種の固化剤を用いてメタン発酵消化液の固化を試み,固化した消化液の農業利用性について検討した。寒天による固化で消化液は固体となったが,ケイ酸ナトリウムと高吸水性樹脂による固化では流動性が残った。環境負荷ガスの揮散について消化液と固化消化液を比較すると,アンモニアの7日間の積算揮散率はケイ酸ナトリウムによる固化消化液で9~47ポイント,高吸水性樹脂による固化消化液で6~39ポイント減少した。4時間のメタン積算揮散量を消化液と比較するとケイ酸ナトリウムによる固化では0.25~1.08mg/m
2,寒天による固化では0.31~1.41mg/m
2減少したが,高吸水性樹脂による固化では逆に0.17~0.99mg/m
2増加した。固化消化液を用いた作物栽培ではケイ酸ナトリウムを固化剤に用いた実験区で発芽が抑制され,その他の実験区では生育速度が異なった。
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