抄録
本研究では,移動栽培されたイチゴ果実に対して下側から接近して収穫する定置型ロボットの開発を目指す。基礎調査として,下側から見た着果状態を調査した。さらに,作業者と同様に離層で果実と果柄を分離させる採果方法を検討するため,果実に対する果柄の傾斜角と分離に必要な最大引張荷重との関係を調査した。これらの調査結果に基づき,アクチュエータ,吸着管,フィンガ,ノズル等から成り,接近時の対象果実の位置変化抑制機能,採果時の他果実に対する誤採果防止機能及び果柄除去機能を備え,果実の下側から接近するエンドエフェクタを設計・開発した。果実位置を予め教示した採果基礎実験の結果,下側に障害物がない着果状態で採果成功率は90%以上であった。一方,誤採果率は隣接果実が通路側にある着果状態で25.0%であり,下側に未熟果等の障害物がある着果状態で採果成功率が低下し,損傷率及び誤採果率が高くなることがわかった。