抄録
市販流通している牛乳66銘柄,延べ84点の理化学特性の測定と官能評価を東京と札幌の2地域で行い,牛乳の成分や調整加工処理が牛乳の食味に与える影響を検討した。乳脂肪は色調L*/値と有意な相関(r=0.90,p<0.001)が認められ,乳脂肪が低い牛乳は暗い色と評価される傾向が示された。官能評価の結果,牛乳の総合的なおいしさに関して,乳脂肪の低い牛乳を色調と香りが悪くてコクがなくおいしくないと判断することが示唆された。また,パネルは間接加熱によるUHT殺菌牛乳をおいしいと評価することが認められた。