2013 年 75 巻 6 号 p. 426-433
サトウキビの減収要因となる排水性の不良なジャーガルほ場の改善法とその効果を調べた。心土破砕と耕起作用を兼ね備えた排土型心土破砕機の耕起作業能率は慣行のプラウ作業のほぼ2倍に達し,膨軟な破砕領域は約55 cmの深さまで達していた。耕起,砕土後の土塊径と発芽率は慣行作業と同程度であったが,サトウキビの増収が確認できた。ハーベスタ収穫後のジャーガル株出ほ場では,心土破砕で約10 %の増収効果がみられ,排水性の改善が一要因と推察された。一方,心土破砕を行っても改善されないジャーガルの排水不良ほ場の場合では,暗渠と心土破砕を組み合わせた排水対策で,茎長の伸びと欠株抑制によって株出3回でも約30 %の増収が見られた。トラクタに装着するオーガ式のトレンチャによる暗渠施工は10 a当たり22万円程度のコストで実施できた。