前報で示したインパルス応答法によって繭の煮熟状態を判定するために製糸工程において計測実験を試み, 繰糸結果との関連から原料繭特性に適する煮熟状態を知る方法を検討した。その結果, 繭の煮熟状態を判定するための目安として, まず減衰振動曲線を描く応答波形の立ち上がりピークXhの大きさによって Under cooking, Medium cooking, Over cooking の状態を区別し, さらに適煮と思われる状態にするために, 応答波形の立ち上がりレベルと収束レベルとの差が生じ始めるところに着目するとともに対数減衰率δが0.37~0.38を示すようにすれば良いことが知られた。