抄録
低周波数領域で優勢なキャブ内部の固体伝搬音がどのようにして発生するのかをキャブ壁面のたわみ振動と関連づけて理論的に解明した。それによるとキャブ壁面のたわみはその平面2方向の四次曲線の組合わせとして表わされ, それら6面のたわみによる内部体積変化即ち内部圧力変化が固体伝搬音を生み出している。しかし各面はそれぞれ異なった位相差を持って振動しているので, ある瞬間瞬間の振動モードを考慮しなければならない。この理論に基づく計算値は測定値と良好に一致した。サスペンションを行うと固定の場合よりかなりの音圧レベルの低下が見られ, 振動の場合と同様, ばね定数が小さいほど防音の効果は大きいことが示された。