青果物質量平均温度の有限要素法による解析

抄録

リンゴとカキを軸対称物体と見做し, 有限要素法を適用して過度冷却過程中の温度履歴と質量平均温度を算定した。
まず, 支配熱伝導方程式をシンプレックス三角形要素で定式化し, 質量平均温度を算定するプログラムを作成した。次に, 数値実験によって妥当な要素の寸法と時間刻みの大きさをみつけた。
この結果と冷水冷却実験から, リンゴとヵキの冷却過程は球体のそれとは異なる傾向を示すこと, 質量平均温度を示す点は, それぞれ0.78R, 0.77Rの位置にあること等が明らかになった。