抄録
繰糸工程における繭糸の解じょ張力から繭の煮熟状態を判測する手法を見出すため, 解じょ張力のばらつき状態に着目し, 繭層を構成する繭糸相互間の膠着点で突発的に発生する大きな張力をパルスとして検出し, そのパルスの分布状態から繭の煮熟状態を評価する方法をシミュレーションによって検討した。そして, その結果に基づき繭糸相互の硬膠着点をパルス信号として検出する電子回路を構成して計測実験を行い, パルスの発生分布状態と繭の煮熟状態および繭の解じょ性との関係を検討し, 本計測手法の製糸工程における有用性を明らかにした。