抄録
農産物の収穫・選別及び品質管理用農業ロボットの人工触覚を開発するために, 熱度・鮮度等の品質を反映すると考えられる硬さ計測用ソフトウエア及びハードウエアを設計した。即ち線形粘弾性体と仮定した農産物の硬さを表わすパラメータの, 不規則加振法による実時間推定にARMA法の応用を導入し, またSN比の高い出力を測走するために, 平均応答法を用いた。これらの計測原理に基づいて, 農産物の硬さを表わす粘弾性パラメータを推定し, 貯蔵中の品質変化を測定することを試みた。その結果, りんごの果肉硬度は, 本報で開発した手法で検出することができ, またその変化は貯蔵温度を低くするとともにポリ塩化ビニリデインフイルムで包装すれば, 抑制できることが判明した。