抄録
試作したバイオガス・くん炭製造装置によって, 圧縮「もみがら」を500~1000℃の温度で間接熱分解してるC/SiO2比の異なった10種類のくん炭を作り, SiC合成用原料としての有用性を評価するために各種の実験を行った。これらの実験結果は下記に要約される。
(1)「もみがら」くん炭を原料として合成したSiCの微粉体を常圧焼結法によって焼結した結果, 理論値の93%に相当する密度のSiC焼結体が得られた。
(2) 解砕くん炭を原料とした場合のSiCの合成温度Ts=1700℃は, 解砕したピッチコークスと石英シリカを原料とした在来法によるにTs比べて500℃も低いので, 省エネルギ上有利である。
(3) 原料くん炭を生成するための圧縮「もみがら」の熱分解条件は, 熱分解温度Td≒900℃, 熱分解時間td, req≒10-15minである。この条件で熱分解すると, C/SiO2比が0.65~0.70のくん炭が生成される。