抄録
モーアローダ型の牧草収穫機のかじ取り方式と作業性能・精度との関係を検討するため, 刈取中に90度旋回を行う車両の各部の軌跡を簡単な理論に基づいて求め比較検討した。検討したかじ取り方式は前輪かじ取り・後輪かじ取り・前後輪かじ取り・車体屈折式かじ取り及び前報で報告した車体屈折式に車輪かじ取りを組合わせた新かじ取り方式 (2段かじ取り方式と呼ぶ) である。この結果, 前装モーアでの刈取作業及び前装モーアでの刈取と後装ピックァップでの拾上げの同時作業の場合には, 旋回軌跡の特性は, 車輪間中央に屈折点を持つ車体屈折式が最も優れ, 屈折点が車輪間中央にない場合には, 2段かじ取り方式によって向上が期待できることが明らかとなった。