1988 年 50 巻 6 号 p. 11-18
農用車輪の設計式を導くためには, 車輪と走行面との作用状態を明確にすることが必要と考えられている。
本研究の目的は, 車輪ラグの形状を決定するための設計式を導くことである。そこで本報では, 設計式を導く第一段階として, 模式的に4つの面より構成されているラグの考え方について検討した。さらに, 新しく“上昇低下率”を提案し, 従来の“進行低下率”と共用して車輪中心の運動を考察することにより, 各種ラグ面の運動を表現する軌跡方程式を導くことができた。これらの式は, 今後のラグ面の作用解析や合理的な設計理論展開の基本式考えることができる。なお, これらの式を用いた作用解析より求めたラグ設計式を続報で報告する。