1988 年 50 巻 6 号 p. 45-52
車体屈折式車両の自動操向システムを実現するため, 状態空間法に基づく線形多変数制御理論の操向制御の適応性を数値実験により検討し, その有効性を確認した。
本報においては, 定値目標入力に追従させる制御システムのステップ応答実験結果を報告する。実際の制御対象にはパラメータの変動や外乱が存在するので, 応答実験において定値外乱や白色雑音をも導入して本制御系の応答特性と安定性を検討した。次報では, 本制御方法を採用した実験用車両を用いて, 機械系パラメータ (車両の慣性モーメント, コーナリングパワーなど) および制御系パラメータ (ゲインベクトルなど) を決定するための基礎実験について報告する。