1989 年 51 巻 1 号 p. 55-61
農産物の品質を非破壊・実時間に計測するシステムを開発し, 不規則加振によって周波数応答関数を求めた。農産物を自己回帰モデル (ARモデル) とみなして, 周波数応答関数をパラメトリックに表現したが, これは非物理的な多変数モデルであるために, 品質変化を表わす尺度としてマハラノビスの汎距離を導入し品質判定を定量的に行なう方法を提案した。
4種の条件で40日間貯蔵した「二十世紀なし」に対する実験の結果, 30日間以上貯蔵後の品質変化はほぼ正確に判別できた。