農業機械学会誌
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四輪駆動トラクタの前車輪アシスト効果に関する研究 (第1報)
市販トラクタによるけん引性能並びに重量転移量の解析
田野 信博山崎 稔妻鹿 卓司
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1991 年 53 巻 1 号 p. 29-37

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抄録

ここ数年, 小形高性能化の要求と相まって農用トラクタの四輪駆動化が進み, 全生産量に占める割合は90%以上に達している。これは四輪駆動トラクタの前車輪駆動系に我が国独自のベベルギヤ方式を採用することによって旋回半径の短縮化に成功するとともに, 水田での走行性や操作性が従来の二輪駆動トラクタよりも格段に向上したことが主な原因である。本研究は, 四輪駆動トラクタの主性能指標であるけん引性能をさらに向上させるための方策として前車輪を後車輪よりも速く駆動することを提案し, これによってもたらされる前車輪のアシスト効果と前後車輪間の最適速度比について究明することを主な目的としている。本報では四輪駆動トラクタの重量転移量解析と, けん引高さや前後車輪の質量配分, 速度比 (後車輪タイヤの交換による) がけん引性能に与える影響について述べる。

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