抄録
青果物の弾性範囲内での圧縮力と変形量を捉え, 軟らかさの非破壊評価を試みた。基礎試験装置 (HITカウンタI型) を試作し, キウィフルーツなどの軟らかさ評価に用いた結果, 非破壊による軟らかさ評価が可能であった。また, 力学的な軟らかさ評価だけでなく, 熟度, 食べ頃判定や出荷時の品質管理, 貯蔵中の品質評価などへの利用の可能性を確認した。そこで, 専門的な知識を必要とせず, 取扱いや操作が簡便な単体の装置 (HITカウンタII型) を試作した。この装置を数ヵ所の試験場にて実証試験をした結果, 数種の果実で軟らかさの非破壊評価が可能であることが確認された。開発した装置は商品化され, 試験研究機関等で利用され始めている。