農業機械学会誌
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流体噴出によって生ずる土壌破壊の解析 (第3報)
水を噴出するパンブレーカによる土壌破壊
高 鋭新家 憲常松 哲
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1995 年 57 巻 3 号 p. 7-17

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抄録

流体を噴出するサブソイラの目的は二つあり, 一つはパンブレーカとして使う場合であり, 他の一つはインジェクタとして使う場合である。前者は土壌の破壊度合が出来るだけ大きい方が良い。後者は土壌の破壊度合を出来るだけ小さくしたい。本報はまず水を噴出するパンブレーカによる土壌破壊を有限要素法 (FEM) によって理論的に考察した。結果として, 含水比8.6%の土壌は亀裂破壊を起こす。この土壌水分では, 必要以上に水を流すべきでない。すなわち流量は牽引抵抗力が減少する最小限度とする方が破壊距離が大きくなる。含水比16.3%の土壌では塑性流動を起こす。このような土壌では, パンブレーカが進行しても, 土層内に生ずる応力はきわめて小さく, 破壊距離は小さくなる。すなわちパンブレーカとしての効率が小さい。したがって, このような土壌水分のパンブレーカ作業は避けるべきことになる。

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