農業機械学会誌
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小型カシューナッツ脱果機の開発に関する研究 (第2報)
手動式および半自動式脱果機の性能試験と評価
ティババルンホン T.坂井 直樹木谷 収
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1995 年 57 巻 3 号 p. 85-93

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抄録

カシューナッツの脱果前処理とふるい分けに関する実験から, 30分の煮沸と24時間の自然乾燥の組み合わせが最適条件として得られ, さらにふるい分けにより厚さと幅をそろえることで最終的に82.7%の完全果率を達成することができた。6種類の手動式脱果機の性能試験を行ったところ, AE (KKU) 2型が, 作業能率0.871kg/h, 脱果効率99.0%, 完全果率79.3%で最も良かった。一方半自動式のAE (KKU) SA1の試験結果からは, 搬送速度40個/分, すなわち作業能率3.14kg/hのとき脱果率75.0%で, 完全果率が80.0%という実用上の最適条件が得られた。6種類の手動式脱果機の経済分析によると, AE (KKU) 2型が, 100kg/年の作業能率のとき最低の損益分岐点と償還期間で, 最高の純益約1,000バーツ/年を示した。一方半自動式の方は, 作業能率5ton/年のとき約17,000バーツ/年の純益を示し, この機種は大量処理のときにのみ魅力のあることがわかった。

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