1998 年 60 巻 2 号 p. 103-110
簡易型ホウレンソウ収穫機の一案として携帯型機を試作し, 3品種を供試して収穫実験を行い, 改良課題を検討した。その結果, 現時点における作業能率は人力の60%程度と推定された。葉の損傷と根の切断長で出荷の可否を判定すると, 草姿が立ち性の品種では一般的な調製で出荷可能なものが75%程度, 出荷不能なものが十数%あ昭った。残りはさらに1~2枚を破棄すれば出荷可能であった。草姿が開張性の品種では損傷が大きく, 当面は立ち性の品種が実用化の対象と考えられた。現在, 人力以上の能率を目標に, 1回当りの収穫株数を増やす刈取り部の改良と損傷低減対策として搬送中の作物姿勢を制御する搬送部の改良を行っている。