本研究は, すくいづめを持つ深耕アップカットロータリ耕うんにおける耕うんづめすくい面形状および耕うん条件と土壌かく拌性との関係, さらには作物生育に適した耕うん後の土壌形成について検討することを目的とする。ロータリ耕うんにおいて, 土壌かく拌性の評価は直接作物生育の場の把握に結びつき, 極めて重要な課題といえる。ここでは, 従来の質点系力学による切削土の後方投てきシミュレーションモデルをもとに, 切削土の土塊形状および滞空時間を考慮した耕うん後の土壌かく拌シミュレーションモデルについて提案する。このモデルを用いた結果, 土壌かく拌性は耕うんづめすくい面形状パラメータの土壌切削角 (φ1) とすくい面曲率中心角 (ψ) に大きく影響されることを明らかにした。