抄録
赤外線熱画像でリンゴや葉・枝を識別する応用手法として, 第1報では特定の時間におけるリンゴ樹の温度分布特性について報告した。本報はその結果を踏まえ, リンゴ樹の24時間の温度変化をリアルタイムに計測し, リンゴや葉などの温度変化の特徴及びそれらと外気温との関係について検討した。その結果, 昼間及び日没後の約3時間以内では, リンゴの温度は葉より約1℃以上高く, また葉の温度は外気温とほぼ等しいことを確認した。深夜及び早朝の場合, リンゴと葉との間に顕著な温度差はなく, しかも両者ともほぼ外気温に等しくなることが明らかとなった。また, この温度差情報を利用することで2値画像が得られ, 樹上のリンゴを容易に検出することができた。