本研究は, 植物組織学や植物生理学的な見地から接ぎ木における活着の条件を満たし, かつ, 将来の自動化を目指した新しい機械接ぎ木法の開発に関するものである。我々が提案した接ぎ木法であるプラグ・イン法 (Plug-in Method) における接合面の加工形状は, 穂木がテーパ軸状, 台木がテーパ穴状であり, この方法における原理的な接ぎ木の可能性についてトマトを用いて検討した。
本報では, 果菜類の接ぎ木用苗における内外部の構造をもとにプラグ・イン法を考案し, さらに, 本方法の有効性を検証するためにトマト (
Lycopersicon esculentum Mill.) を用い, その内部構造から加工部位, 穂木と台木の通導組織径の大小の組み合わせの範囲について検討した。そして, 試作した実験用加工装置を用い, 加工および接ぎ木の可能性について実験的な検討を行った。その結果, プラグ・イン法が新しい機械接ぎ木法として位置づけられることが明らかとなった。
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