1999 年 61 巻 5 号 p. 65-73
グリッド内代表値を推定するため, トウモロコシ生育中の畑地における硝酸態窒素NO3-N (非正規分布, 試験区画: 4.2×4.2m2, 分割セルサイズ: 0.6×0.6m2) の分布, 及び水稲収穫後の乾土水田におけるNO3-N (正規分布, 試験区画: 10×10m2, 分割セルサイズ: 1×1m2) の分布を取り上げ, 任意抽出による標本平均の推定誤差とグリッド内サンプリングサイズの関係を解析した。その結果, 畑地におけるNO3-Nの標本平均の精度は正規分布を仮定して推定可能であった。さらに, 同一のサンプリングサイズにおいては, 畑地の標本平均推定誤差は水田の誤差より大きかった。また, 地中深度とともに畑地では顕著な差が現れたが, 水田では大差なかった。本実験における畑地では標本平均推定誤差を20%以下に押さえるために, 1グリッド内で少なくとも10のサンプリングサイズが必要であった。