農業機械学会誌
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生分解性フィルムを用いた早期水稲マルチ栽培の機械化に関する研究 (第2報)
ナイロンコードを用いた生分解性フィルム用マルチ穴開け機構について
タデオ ベルナルドD.永田 雅輝御手洗 正文石野 文俊日吉 健二
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2000 年 62 巻 2 号 p. 154-166

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抄録
水田へ敷設する生分解性フィルムヘマルチ穴を切開するために, ナイロンコードを用いたマルチ穴開け機構を開発した。本機構は, 回転式植付け機構を持つ田植機の植付アームに組付けられ, 切削部品として安全性の高いナイロンコードを用いること, 苗植付けの直前にナイロンコードの衝撃力でマルチ穴を切開することを特長としている。最適なマルチ穴長を求めるために, 植付け爪とナイロンコードの運動軌跡を求めた。その結果, 理論値および実験値から, マルチ穴長はナイロンコード長および取付け角度, 植付け深さと植付け間隔に影響されることが判った。植付け間隔120~160mm, 植付け深さ10~50mmの条件で理論値と実験値の差は最大でも5mm程度であり, 苗の植付けに必要かつ十分な長さのマルチ穴を切開することができた。よって, 本機構は水稲マルチ栽培用田植機のマルチ穴切開機構としての有用性を認めた。
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