2000 年 62 巻 2 号 p. 87-93
精密ほ場管理技術による適切な窒素施肥管理が, 収量増加, 環境保全や生産コスト削減の面から期待されている。本研究はマシンビジョンを用いた作物窒素ストレスのリモートセンシングシステムの開発を最終目標とし, 本報ではシステムの構想を概略した。既往のディジタル葉緑素計や葉色カラースケールに対し, 葉面反射率を測定するマシンビジョンによる窒素ストレス診断法を提案した。トウモロコシ葉面の分光反射特性を調べた結果, 反射測定においては550nm, 650nm分光が窒素ストレス推定に適していると判断し, 今後屋外実験においてマシンビジョンに装備する光学バンドパスフィルタの波長帯を550nm, 650nmに決定した。