2000 年 62 巻 4 号 p. 120-126
農産物の凍結では細胞内に含まれる水溶液の凍結濃縮効果により細胞膜を通した水分の移動, ならびに相変化による体積膨張のため細胞が破損することがある。この破損の度合いは冷却速度と密接な関係を持つため, 凍結過程における温度履歴が食品の品質に影響を与えることとなる。本研究では, 凍結過程における農産物の温度変化を予測するための3次元熱移動モデルを構築し, その妥当性について検証を行った。温度依存項を含む支配方程式をコントロールボリューム法により数値解析し, 実験結果との比較を行った。この結果, 両者はよく一致し, モデルの妥当性が検証された。