抄録
振動補償およびドリフト補正ができる収量センサを開発し, コンバインに搭載して圃場実験に供した。センサは拡張四角形リング型ロードセルにアクリル板を取り付けたもので, 振動による影響の補償は固定フレームに取り付けた加速度計の出力によりおこなった。これを穀粒タンク入口付近に取り付け, 穀粒搬送オーガ先端の羽根から投てきされる穀粒の衝撃力を検出した。しきい値を設定してこの衝撃波形を抽出し, また非抽出部分の出力を用いてセンサ自身の零点を逐次補正することで収量の推定精度を高めた。実測値との標準誤差は0.067kg, 相対二乗平均誤差は0.18%であった。