抄録
果実の収穫ロボットにおける最初の重要な作業は, 果実の認識である。本報では, マシンビジョンシステムを用いたリンゴ (品種; フジ) 果実の認識のために適応可能な色モデルを異なる照度条件下で検討した。RBGモデル (RGB model), 赤と緑の色度による方法 (rg-chromaticity method), 輝度と赤の色差による方法 (LRCD method) の3種類の色モデルについて, 画像からリンゴ果実を識別するためのそれぞれのしきい値を, 論理的数値決定法を応用して導き出した。色度による方法は, 照度条件の影響をほとんど受けず, 特に逆光条件下では, 最も高い認識率及び最も低いエラー率を示した。これから, 色度による方法が, ロボット収穫におけるフジリンゴ果実の認識に適応可能であると結論づけられた。